2011.03.22 独特の形態をとる日本の花卉市場

日本は年間GDPが5兆米ドルにも達する世界有数の経済大国であると同時に、花卉植物の消費大国でもあり、年間生産量も目を見張るものがある。2007年の統計データによると、日本の年間切花生産量は49億本であり、中国(169億本)・オランダ(79億本)に次ぐ世界第三位の切花生産国である。2009年の日本年間切花消費額は47億ユーロに達し、国内生産花卉の生産額は22億ユーロ、観賞用植物は3億ユーロである。

日本花卉産業の発展傾向

近年、日本人の家庭消費規模が縮小していることから、日本の切花および観賞用植物の消費市場に直接的な圧力を及ぼしている。連動して日本の各競り市場の営業額も低下し、経営圧力に直面している。同時に、日本の国内生産花卉の産量の急減は、かえって花卉年間輸入量の急増をもたらしている。その原因を突き詰めると、ひとつは日本周辺国からの商品価格競争であり、もうひとつは日本における花卉生産のコストの高さ、および生産者の高齢化である。日本の花卉農家の平均年齢は60歳であり、その中で最も重要な切花の品種であるキクを栽培する農家の年齢は72歳にもなる。日本における花卉栽培総面積のうちキクの占める割合は36%、カーネーションは9%、コウシンバラは7%、ガーベラは4%、ユリは3%となっている。このような状況下で、花卉の輸入は今後数年間、引き続き増加の傾向をたどると予想される。

栽培される盆栽植物のうち、55%が地被植物(サンシキスミレが最も多い)、30%がシクラメン・洋ラン・観葉植物・サボテンなどの盆栽花卉、8%がチューリップ・フリージア・グラジオラス・ユリなどの球根花卉、残り7%が開花樹と低木である。

日本における花卉の競り方式

日本の国産花卉と世界各地から輸入された生花と植物のほとんどは競りの方式で日本市場に流入する。日本には大小合わせて200近くの競り市場があるが、農協形式ではなく、すべて私的企業の形式で運営されている。卸売業者の間では競り市場を通じて購入することが慣わしとなっているが、農家の側は取引する競り市場を選ぶことができる。競り市場は一般的に都市の主要消費市場のある区域に近く、競り市場の買い手の多くは花卉卸売業者・花卉加工業者・代理店および花屋である。しかし、今日の日本では多くの花卉は競りそのものではなく、競りが始まる前の先売り方式で取引を完了する。今日の競り市場における取引額のうち60%は先売り方式で成立している。

成長が著しいのはネットオークション方式である。ネットオークション方式は25年前に自動車販売から生まれ、花卉植物の販売に適用されて13年になる。買い手はオンラインシステムで花卉の取引を完了し、ネットショッピング企業の手配によって顧客の元に配送される。今日の日本の競り市場は、花卉農家と花卉輸入業者が商品を納入し、花屋が主要な買い手という取引方式を形成している。競りにも一定のリズムが形成されている。すなわち日曜日・火曜日・金曜日に花卉の取引、月曜日・木曜日に観賞用植物の取引を行う。過去の数年間で伝統的な競り方式はネットオークションに追いつかれ、その規模は年々増加している。その原因を突き詰めると、ネットにより売り手・買い手間の取引がより直接的で透明になり、中間業者を排除したことで少なからぬ費用節約になったことが挙げられる。

日本の大田花卉競り市場は日本最大の専門的な競り市場であり、取引量は日本の8.6%、年間取引額は2.7億ユーロである。日本の花卉競り市場は年間取引額2.2億ユーロで世界第三位の花卉競り市場となり、切花と盆栽植物の競り額がそれぞれ1.1億ユーロを占めている。

日本の競り市場はこれほどまでに分散しており(日本全国に200箇所近く分布する)、かつ農家による供給も相対的に固定でなく、うち60%の取引が先売り方式と市場入りしない競り形式で完了する。ではその合理的な価格体系はどのようにして形成されたのだろうか?追加された花卉の数量が競りのシステムに組み込まれない場合には先売り形式で取引され、生産者に応じた商標と品質水準で競り市場の買い手に対して責任を負う。花卉輸入業者に対しても同様である。これにより、ネットオークションは少なくとも伝統的な競り方式の需給バランスを補完するのである。

日本における花卉の輸入源

日本は主としてマレーシア・コロンビア・タイ・中国大陸および台湾から花卉を輸入している。しかし近年、ベトナム・エクアドル・インド・エチオピアからの花卉の輸入量も急激に増加している。ユーロの勢いが強まるにつれ、また、他の花卉主要産出国間の競争が激化するにつれ、日本市場からの情報が不足するオランダは徐々に日本市場を失いつつある。花卉品質の向上においても、物流ネットワークの改善においても、アフリカや南米諸国の花卉産業が相対的に優勢な地位を占めている。

品種の点からすると、日本が輸入する品種のうち最も増加の著しい品種は緑色植物とその付属葉・カーネーション・キクである。最近の日本円・ユーロの為替が1ユーロ=104円に回復したため(二年前は1ユーロ=175円)、日本の競り市場はより多くのオランダ花卉の輸入を期待した。しかし日本に市場を持つオランダ花卉はアジサイ・ヒガンバナ科・盆栽のヒヤシンスといった球根花卉に限定されたものにすぎなかった。

小売ルートと市場チャンス

日本における花卉の小売ルートは以下の4種類に分けられる。日本全国にある1.9万軒の花屋が55%、大型スーパーマーケットが8%、(自分で花束を作る)体験教室型店が12.3%、園芸師が18.2%、その他の販売ルートが6.6%となっている。

日本の花卉消費には主として以下の用途がある。冠婚葬祭・パーティー・宗教儀式などである。キクが日本人にとって重要である理由はここにある。この他、日本の東京においては、花卉のもう一つの特殊な用途、すなわち食用も注目すべきである。日本人は美食を好み、消費者は美食のための支出を厭わない。どこへ行っても、大型のデパートであればどこでも高額の食品や野菜・フルーツ・魚・肉およびパンを目にすることができる。フランス人が、フランスから来たものよりも良いと言うのももっともである。たとえば日本の花屋は、日本とフランスの園芸師の交流が頻繁なため、フランスのガーデニングの影響を強く受けている。

花卉の大型スーパーマーケットにおける割合が8%にとどまっている原因は、スーパーマーケットの販売量では花卉小売の発展の需要を満たせないことにある。ある調査によると、98%の日本女性がプレゼントとして花を好むのに対し、他のプレゼントを好む女性は5%にも満たないという。

日本の未来の花卉消費は、風習としての花卉消費の発展と、たとえば妻やご近所に花をプレゼントするといった、プレゼント用花卉のルートの拡充に左右される。日本花卉界の専門家は、上記の消費ルートの拡充が日本花卉産業の発展に有益であると口をそろえて言う。(編集者注:文中で引用した数値は日本農林水産省・日本東京国際花卉園芸展・日本花卉貿易協会の資料に由来)丁懐敏訳『国際園芸』より